Smile Again 〜本当の気持ち〜
スカイツリーは夜の方が良さそうという意見が多く、先に水族館やショッピングを楽しみ、夕方、日が傾き始めてから、ツリーに昇った私達。
寒い時期の澄んだ空気が、私達の目の前に広がる美しい夜景を一層引き立たせている。
「キレイ・・・。」
「ほら、見て。東京タワーが見えるよ。」
「向こうからも、こっちを見てるかな。」
そんなことを言いながら、私達は東京の夜景を楽しむ。
「悠はこの間、先輩と横浜の夜景も見たばっかりだよね。」
「うん。どっちも本当にキレイだよ。甲乙つけがたいな。」
「今日は先輩と2人じゃないから、つまんないでしょ。」
「えっ〜、そんな言い方しないで。今日はみんなと一緒に見られるの、楽しみにしてたんだから。」
「ゴメン、ゴメン。」
私達のちょっと後ろから、男子達も一緒に歩いて来る。彼氏とこういうところに2人で来るのにも、もちろん憧れるけど、こういう賑やかなのも、悪くないな。
お昼に、ちょっと贅沢しちゃったから、夕飯はハンバーガー。名残り惜しいけど、そろそろ帰らなきゃ。
帰りもにぎやかだったけど、加奈、沖田くん、先輩と悠の順番で、サヨナラして行き、最後はやっぱり聡志と2人。途端に気まずい空気が流れるのは、前回と同じ。
さっきまでのにぎやかさが嘘のように、私達は一言も会話を交わさず、目も合わせないまま、電車を降りた。
「聡志、自転車?」
「ああ。」
「じゃ、ここで。」
歩きの私はこれ幸いと、聡志から離れようとするけど
「待てよ、ちょっと話がある。」
またしても、私を呼び止める聡志。
「途中まで一緒に帰ろう。」
そう言うと、私の返事も聞かずに歩き出す聡志。仕方なく、その後ろに付いて行く。
こうして家に向かって、歩き出した私達だけど、聡志は相変わらずダンマリ。話があるって言って、なんなのよ。しばらく黙っていたけど、ついに我慢出来なくなって
「ねぇ、いつまで黙ってる気?話があるって言ったのは、そっちでしょ!」
「わかってる、この辺でいいだろ。」
人混みを抜けたところで、足を止めた聡志は、私を見た。
「昨日、長谷川とドームに野球、見に行ってきた。」
その言葉に、私は思わず固まってしまう。
「松本さん、相変わらずカッコよかったよ。試合終わってから、少し話出来てさ、励ましてもらっちゃったよ。」
「・・・。」
「それで・・・実は帰りに・・・長谷川にコクられた。」
その言葉を聞いた瞬間、私はハンマーで頭を殴られたような衝撃を覚えた。沈黙が流れる、私は言葉を失い、聡志もじっとそんな私を見つめたまま。
「よ、よかったじゃない。長谷川さんとは仙台の時も、一緒だったんでしょ?縁があったんだよ、それでOKしたんでしょ?」
その沈黙に耐えられなくなって、私は必死に言葉を発した。
「いや、まだ。」
「そう、なんだ。まぁ、あんたがモテるなんて、2度とないかもしれないんだから。勿体ぶらずに、早く返事しちゃいな。」
「由夏・・・。」
「話はそれだけ?じゃ、私はこれで、今日はありがとう。」
「由夏!」
聡志が呼び止める声を無視して、私は背を向けて走り出す。
(そんな話して、私になんて言わせたいのよ!)
居たたまれなかった、そして悲しくて、悔しかった・・・。
寒い時期の澄んだ空気が、私達の目の前に広がる美しい夜景を一層引き立たせている。
「キレイ・・・。」
「ほら、見て。東京タワーが見えるよ。」
「向こうからも、こっちを見てるかな。」
そんなことを言いながら、私達は東京の夜景を楽しむ。
「悠はこの間、先輩と横浜の夜景も見たばっかりだよね。」
「うん。どっちも本当にキレイだよ。甲乙つけがたいな。」
「今日は先輩と2人じゃないから、つまんないでしょ。」
「えっ〜、そんな言い方しないで。今日はみんなと一緒に見られるの、楽しみにしてたんだから。」
「ゴメン、ゴメン。」
私達のちょっと後ろから、男子達も一緒に歩いて来る。彼氏とこういうところに2人で来るのにも、もちろん憧れるけど、こういう賑やかなのも、悪くないな。
お昼に、ちょっと贅沢しちゃったから、夕飯はハンバーガー。名残り惜しいけど、そろそろ帰らなきゃ。
帰りもにぎやかだったけど、加奈、沖田くん、先輩と悠の順番で、サヨナラして行き、最後はやっぱり聡志と2人。途端に気まずい空気が流れるのは、前回と同じ。
さっきまでのにぎやかさが嘘のように、私達は一言も会話を交わさず、目も合わせないまま、電車を降りた。
「聡志、自転車?」
「ああ。」
「じゃ、ここで。」
歩きの私はこれ幸いと、聡志から離れようとするけど
「待てよ、ちょっと話がある。」
またしても、私を呼び止める聡志。
「途中まで一緒に帰ろう。」
そう言うと、私の返事も聞かずに歩き出す聡志。仕方なく、その後ろに付いて行く。
こうして家に向かって、歩き出した私達だけど、聡志は相変わらずダンマリ。話があるって言って、なんなのよ。しばらく黙っていたけど、ついに我慢出来なくなって
「ねぇ、いつまで黙ってる気?話があるって言ったのは、そっちでしょ!」
「わかってる、この辺でいいだろ。」
人混みを抜けたところで、足を止めた聡志は、私を見た。
「昨日、長谷川とドームに野球、見に行ってきた。」
その言葉に、私は思わず固まってしまう。
「松本さん、相変わらずカッコよかったよ。試合終わってから、少し話出来てさ、励ましてもらっちゃったよ。」
「・・・。」
「それで・・・実は帰りに・・・長谷川にコクられた。」
その言葉を聞いた瞬間、私はハンマーで頭を殴られたような衝撃を覚えた。沈黙が流れる、私は言葉を失い、聡志もじっとそんな私を見つめたまま。
「よ、よかったじゃない。長谷川さんとは仙台の時も、一緒だったんでしょ?縁があったんだよ、それでOKしたんでしょ?」
その沈黙に耐えられなくなって、私は必死に言葉を発した。
「いや、まだ。」
「そう、なんだ。まぁ、あんたがモテるなんて、2度とないかもしれないんだから。勿体ぶらずに、早く返事しちゃいな。」
「由夏・・・。」
「話はそれだけ?じゃ、私はこれで、今日はありがとう。」
「由夏!」
聡志が呼び止める声を無視して、私は背を向けて走り出す。
(そんな話して、私になんて言わせたいのよ!)
居たたまれなかった、そして悲しくて、悔しかった・・・。