Smile Again 〜本当の気持ち〜
なんとも釈然としない私は、悠に折り返し電話してみる。今度はちゃんと悠が出て
『徹くんが、どうしても由夏と2人で話がしたいんだって。だから明日の午前中、徹くん貸すよ。でもちゃんと返してね。』
と明るく言う。その言葉に、心が軽くなった私は、
「わかりました、じゃお借りします。」
と言って電話を切った。
そして次の日、一足早く着いた私はファミレスに入った。先週のみんなとのお出かけの時は、前で待ち合わせただけで、中には入らなかったけど、日曜の午前中にも関わらず、朝食を摂る人でごった返していた。
待つこと数分で先輩到着。コ-ヒ-を頼んだ私に対して、朝食がまだだと言う先輩はモ-ニングセットを注文。
「最初に報告しておく。塚原は今日も長谷川とデ-トだそうだ。」
「そう、なんですか・・・。まさか、私にそれを伝える為に・・・。」
「勘弁してくれ。それほど俺も暇じゃない。君と会うために、わざわざ彼女との約束を2時間遅らせてもらってるんだぜ。」
そう言って、一瞬苦笑いを浮かべた先輩は、すぐに表情を引き締めた。
「なぁ岩武。俺達は今、こうして2人で会ってる。俺には彼女がいて、そいつは君の親友。だから、俺は彼女に誤解されたくないし、君たち2人の仲を変なふうに、したくもないから、ちゃんと彼女に断って、ここに来た。でも、これって知らない人が見たら、やっぱりデートに見えるんじゃないか?」
それはそうかもしれないけど、それと聡志達が昨日も今日も一緒にいることとはやっぱり違うよ。
「岩武は塚原のことが好きなんだろ?」
「・・・。」
「意地張るなよ。好きじゃなきゃ、ツカと長谷川が一緒に帰って行く姿を見て、ショック受けて、泣きながら、反対方向に走って行かないだろう。」
えっ。じゃ、あの時、私に声掛けたのは、白鳥先輩だったってこと?
「いつからだ?」
「わからないんです。私達、途中離れた時期もありましたけど、小さい頃からずっと一緒でしたから。だから結局、ずっとあいつのこと、意識してたのかもしれません。」
「そうか。俺にはそういう存在がいないから、よくわからないが、仁村と真弓を見てても、そういうものなのかもしれないな。幼なじみって。」
先輩はじっと私を見つめながら話す。悠には悪いけど、ちょっとドキドキしてしまうよ。
「でもアイツは、ツカは少なくともずっと君のことを意識してた。」
「ウソです。」
「ウソじゃない。だって、俺はアイツから直接、そう聞いたんだから。間違いないさ。」
まさか・・・私は驚いて、先輩の顔を見つめてしまう。
「悠が俺とみどりのことを誤解して、口もきけなくなった時期があっただろ?あの時は、ツカもいろいろ心配してくれたんだけど、ある時、アイツ俺にこんなこと言ったんだ。『俺が見ている奴が、水木といつも一緒に居やがるから、自然と水木のことも視界に入って来るんですよ』ってな。」
「悠と一緒にいる奴」を聡志はいつも見ていた・・・。
『徹くんが、どうしても由夏と2人で話がしたいんだって。だから明日の午前中、徹くん貸すよ。でもちゃんと返してね。』
と明るく言う。その言葉に、心が軽くなった私は、
「わかりました、じゃお借りします。」
と言って電話を切った。
そして次の日、一足早く着いた私はファミレスに入った。先週のみんなとのお出かけの時は、前で待ち合わせただけで、中には入らなかったけど、日曜の午前中にも関わらず、朝食を摂る人でごった返していた。
待つこと数分で先輩到着。コ-ヒ-を頼んだ私に対して、朝食がまだだと言う先輩はモ-ニングセットを注文。
「最初に報告しておく。塚原は今日も長谷川とデ-トだそうだ。」
「そう、なんですか・・・。まさか、私にそれを伝える為に・・・。」
「勘弁してくれ。それほど俺も暇じゃない。君と会うために、わざわざ彼女との約束を2時間遅らせてもらってるんだぜ。」
そう言って、一瞬苦笑いを浮かべた先輩は、すぐに表情を引き締めた。
「なぁ岩武。俺達は今、こうして2人で会ってる。俺には彼女がいて、そいつは君の親友。だから、俺は彼女に誤解されたくないし、君たち2人の仲を変なふうに、したくもないから、ちゃんと彼女に断って、ここに来た。でも、これって知らない人が見たら、やっぱりデートに見えるんじゃないか?」
それはそうかもしれないけど、それと聡志達が昨日も今日も一緒にいることとはやっぱり違うよ。
「岩武は塚原のことが好きなんだろ?」
「・・・。」
「意地張るなよ。好きじゃなきゃ、ツカと長谷川が一緒に帰って行く姿を見て、ショック受けて、泣きながら、反対方向に走って行かないだろう。」
えっ。じゃ、あの時、私に声掛けたのは、白鳥先輩だったってこと?
「いつからだ?」
「わからないんです。私達、途中離れた時期もありましたけど、小さい頃からずっと一緒でしたから。だから結局、ずっとあいつのこと、意識してたのかもしれません。」
「そうか。俺にはそういう存在がいないから、よくわからないが、仁村と真弓を見てても、そういうものなのかもしれないな。幼なじみって。」
先輩はじっと私を見つめながら話す。悠には悪いけど、ちょっとドキドキしてしまうよ。
「でもアイツは、ツカは少なくともずっと君のことを意識してた。」
「ウソです。」
「ウソじゃない。だって、俺はアイツから直接、そう聞いたんだから。間違いないさ。」
まさか・・・私は驚いて、先輩の顔を見つめてしまう。
「悠が俺とみどりのことを誤解して、口もきけなくなった時期があっただろ?あの時は、ツカもいろいろ心配してくれたんだけど、ある時、アイツ俺にこんなこと言ったんだ。『俺が見ている奴が、水木といつも一緒に居やがるから、自然と水木のことも視界に入って来るんですよ』ってな。」
「悠と一緒にいる奴」を聡志はいつも見ていた・・・。