Smile Again 〜本当の気持ち〜
「結構大胆発言だろ?でもアイツ、あんまりその言葉が何を意味しているか、深く考えないで、言ったみたいだけど、俺は驚いたよ。そして、それ以来、俺は君たちをそういう目で見て来た。」
そうなんだ、あいつ、そんなことを・・・。
「まぁ本人が自白してるんだから、当たり前なんだけど、アイツがウソを付いてないってことがはっきりわかったよ。そして、間違いなく君も、いろいろあったけど、ツカのことを結局想ってるんだなって思った。」
「そうでしょうか?」
「俺だけじゃない。悠も桜井も沖田も、君たちに近い連中は、みんな気付いてたと思う。でも周りはわかっても、当人達は案外わからないんだよ、俺達もそうだった。悠が俺のこと、好きでいてくれたんだって、本当にわかったのは、俺の告白に、悠が頷いてくれた時だったから。」
「でも・・・。」
「もう1ついいか?追い出し試合の前の日、アイツ、俺んちに泊まったんだ。」
「えっ、そうだったんですか?」
長谷川さんと一緒だったんじゃなかったんだ・・・。
「アイツ、今は由夏にも長谷川にも会いたくないし、会えない。連絡もしたくない。だから一晩泊めてくれって。」
あいつ・・・。
「それで、アイツといろいろ話したんだけど、君の話になってさ。ツカは君からの連絡をずっと返してないことをもちろん気にしていた。こんな酷いことをしちゃってるんだから、由夏は明日の試合、絶対来てくんないですって、落ち込んでるから、じゃ、賭けるかって?」
「賭け、ですか?」
「ああ。俺は絶対来るって言って、勝った方が負けた方の言うことを1回聞くっていう勝負。」
えっ、そんなことしてたの?
「結局、俺が勝って、アイツにピッチャーやらせたんだ。アイツ、いいピッチャーになるぞ、絶対に。」
「本当ですか?」
「おっ、やっと顔が少しほころんだな。ああ、本当だとも。あの伸びのあるストレートは、誰にでも投げられるもんじゃない。キャッチャーとしてのツカも、もちろん悪くないけど、俺は断然ピッチャー推しだな。」
なんか自分のことのように嬉しいって変だよね?
「イップスって、確かに厄介なんだけど、あるキッカケで、ウソのように治ることもあるんだ。ツカは君とミチに感謝だよ。」
「私は別に・・・。」
「あの檄は、効いたみたいだぜ。もっと早く言ってもらえたら、俺のあとのエースはアイツだったかもな。アイツに今度、いっぱいご馳走してもらえ。」
「でも、あいつは・・・聡志は長谷川さんと会ってます、昨日も、今も。私には、そのうち連絡するからってメール1本来ただけ、これが現実です。」
だけど、私のこの一言で、私達のテーブルは一気に静かになった。俯く私に、先輩は声も掛けられない。
「岩武。」
でも、ようやく先輩が口を開いた。
「今のツカが何を考えてるのか、わからない部分は確かにある。だけど、少なくとも、今までの俺の話にウソはない。」
「先輩・・・。」
「俺は塚原という男が好きだ。後輩だけど、本当に世話になったし、あんなに真っすぐな奴はなかなかいないと思うから。だから・・・余計な、お節介なのは承知だけど、アイツを信じてやって欲しい。」
そう言って、真っすぐ私を見つめて来た先輩の視線を、私はやっぱり、受け止めることは出来なかった。
そうなんだ、あいつ、そんなことを・・・。
「まぁ本人が自白してるんだから、当たり前なんだけど、アイツがウソを付いてないってことがはっきりわかったよ。そして、間違いなく君も、いろいろあったけど、ツカのことを結局想ってるんだなって思った。」
「そうでしょうか?」
「俺だけじゃない。悠も桜井も沖田も、君たちに近い連中は、みんな気付いてたと思う。でも周りはわかっても、当人達は案外わからないんだよ、俺達もそうだった。悠が俺のこと、好きでいてくれたんだって、本当にわかったのは、俺の告白に、悠が頷いてくれた時だったから。」
「でも・・・。」
「もう1ついいか?追い出し試合の前の日、アイツ、俺んちに泊まったんだ。」
「えっ、そうだったんですか?」
長谷川さんと一緒だったんじゃなかったんだ・・・。
「アイツ、今は由夏にも長谷川にも会いたくないし、会えない。連絡もしたくない。だから一晩泊めてくれって。」
あいつ・・・。
「それで、アイツといろいろ話したんだけど、君の話になってさ。ツカは君からの連絡をずっと返してないことをもちろん気にしていた。こんな酷いことをしちゃってるんだから、由夏は明日の試合、絶対来てくんないですって、落ち込んでるから、じゃ、賭けるかって?」
「賭け、ですか?」
「ああ。俺は絶対来るって言って、勝った方が負けた方の言うことを1回聞くっていう勝負。」
えっ、そんなことしてたの?
「結局、俺が勝って、アイツにピッチャーやらせたんだ。アイツ、いいピッチャーになるぞ、絶対に。」
「本当ですか?」
「おっ、やっと顔が少しほころんだな。ああ、本当だとも。あの伸びのあるストレートは、誰にでも投げられるもんじゃない。キャッチャーとしてのツカも、もちろん悪くないけど、俺は断然ピッチャー推しだな。」
なんか自分のことのように嬉しいって変だよね?
「イップスって、確かに厄介なんだけど、あるキッカケで、ウソのように治ることもあるんだ。ツカは君とミチに感謝だよ。」
「私は別に・・・。」
「あの檄は、効いたみたいだぜ。もっと早く言ってもらえたら、俺のあとのエースはアイツだったかもな。アイツに今度、いっぱいご馳走してもらえ。」
「でも、あいつは・・・聡志は長谷川さんと会ってます、昨日も、今も。私には、そのうち連絡するからってメール1本来ただけ、これが現実です。」
だけど、私のこの一言で、私達のテーブルは一気に静かになった。俯く私に、先輩は声も掛けられない。
「岩武。」
でも、ようやく先輩が口を開いた。
「今のツカが何を考えてるのか、わからない部分は確かにある。だけど、少なくとも、今までの俺の話にウソはない。」
「先輩・・・。」
「俺は塚原という男が好きだ。後輩だけど、本当に世話になったし、あんなに真っすぐな奴はなかなかいないと思うから。だから・・・余計な、お節介なのは承知だけど、アイツを信じてやって欲しい。」
そう言って、真っすぐ私を見つめて来た先輩の視線を、私はやっぱり、受け止めることは出来なかった。