Smile Again 〜本当の気持ち〜
「ねぇ、私達、今どうしてる?」
由夏の言葉に、俺はハッとする。
(いけねぇ、手繋いたままだ。)
由夏を引き止めようとして、左手を掴んだままだったことに気づき、慌てて引っ込めようとしたけど、由夏はぎゅっと握ったまま、離そうとはしない。
「だからぁ、なんでそうやって、慌てて振りほどこうとするの?こういうことがあるといつもそうじゃん。だから私のこと、嫌いなんだなって、思っちゃって、傷つくんだよ。こっちは。」
「由夏・・・。」
「言っときますけど、私、嫌いな男子と手なんか繋がないし、もしそんなことして来たら、速攻振りほどいて、ビンタだよ。」
そう言うと、ようやく由夏は俺の方を向いてくれる。その瞬間、手は離れたけど、すぐに由夏の右手がまた、俺の左手を迎えに来てくれる。
「私は聡志以外の男子と手を繋いたことないよ。聡志は、長谷川さんと繋いたの?」
「いえ、繋いでません・・・。」
「よろしい。」
なぜか敬語で答えた俺に、由夏は鷹揚に頷いた。
「だいたいさ、私が逃げなかったら、この話、あのまま、さっきの場所で続けるつもりだったの?」
「いや、その・・・。」
「少しは考えてよ。確かに人気はなかったけど、誰が見てるか、わからないじゃん。学校なら屋上か、せめてここでしょ?」
「じゃ、お前、あれはわざと・・・。」
「うん。せっかくコクってくれそうなのに、あそこはないと思って。と言って、今更校舎の中には入れないから、屋上は無理だし、私達と言ったら、やっぱりここでしょ。」
ここでしょって、お前野球部員じゃねぇし。でも、そうすると、あの鬼の形相は演技だったってこと?女って恐ぇ・・・。
「ということで。」
ここで由夏は表情を変えた。
「そろそろ私も素直にならないとね。」
「由夏。」
「私がありがとうって、言うとでも思ったって、さっきは言いました。でも本当は・・・ありがとうございます、とっても嬉しいです。」
そしてニッコリと微笑んでくれる由夏。
「聡志は、私のこと、ずっと好きだったって言ってくれた。でも正直、私はそうじゃなかったかもしれない。あなたの気持ちがわからなかったし、この野郎って思ったことも、ハッキリ言って、再会してからだけで、何度あったか。」
「すいません・・・。」
小さくなる俺。
「だけど、聡志のことを嫌いになったことは1度もないよ。もう知らない、あんな奴、そう思っても結局、私はあなたのことがいつも気になってた。大切な幼なじみだと思ってたから。でもそれだけじゃ、やっぱりなかったみたい。」
そう言って、由夏はちょっとはにかんだような表情になった。
由夏の言葉に、俺はハッとする。
(いけねぇ、手繋いたままだ。)
由夏を引き止めようとして、左手を掴んだままだったことに気づき、慌てて引っ込めようとしたけど、由夏はぎゅっと握ったまま、離そうとはしない。
「だからぁ、なんでそうやって、慌てて振りほどこうとするの?こういうことがあるといつもそうじゃん。だから私のこと、嫌いなんだなって、思っちゃって、傷つくんだよ。こっちは。」
「由夏・・・。」
「言っときますけど、私、嫌いな男子と手なんか繋がないし、もしそんなことして来たら、速攻振りほどいて、ビンタだよ。」
そう言うと、ようやく由夏は俺の方を向いてくれる。その瞬間、手は離れたけど、すぐに由夏の右手がまた、俺の左手を迎えに来てくれる。
「私は聡志以外の男子と手を繋いたことないよ。聡志は、長谷川さんと繋いたの?」
「いえ、繋いでません・・・。」
「よろしい。」
なぜか敬語で答えた俺に、由夏は鷹揚に頷いた。
「だいたいさ、私が逃げなかったら、この話、あのまま、さっきの場所で続けるつもりだったの?」
「いや、その・・・。」
「少しは考えてよ。確かに人気はなかったけど、誰が見てるか、わからないじゃん。学校なら屋上か、せめてここでしょ?」
「じゃ、お前、あれはわざと・・・。」
「うん。せっかくコクってくれそうなのに、あそこはないと思って。と言って、今更校舎の中には入れないから、屋上は無理だし、私達と言ったら、やっぱりここでしょ。」
ここでしょって、お前野球部員じゃねぇし。でも、そうすると、あの鬼の形相は演技だったってこと?女って恐ぇ・・・。
「ということで。」
ここで由夏は表情を変えた。
「そろそろ私も素直にならないとね。」
「由夏。」
「私がありがとうって、言うとでも思ったって、さっきは言いました。でも本当は・・・ありがとうございます、とっても嬉しいです。」
そしてニッコリと微笑んでくれる由夏。
「聡志は、私のこと、ずっと好きだったって言ってくれた。でも正直、私はそうじゃなかったかもしれない。あなたの気持ちがわからなかったし、この野郎って思ったことも、ハッキリ言って、再会してからだけで、何度あったか。」
「すいません・・・。」
小さくなる俺。
「だけど、聡志のことを嫌いになったことは1度もないよ。もう知らない、あんな奴、そう思っても結局、私はあなたのことがいつも気になってた。大切な幼なじみだと思ってたから。でもそれだけじゃ、やっぱりなかったみたい。」
そう言って、由夏はちょっとはにかんだような表情になった。