Smile Again 〜本当の気持ち〜
(聡志・・・。)
私はフッと腕時計を見る。今は授業中、そろそろ試合が始まる頃だ。
学校が休みにかかる夏の大会と違い、秋季大会は平日にも試合があるから、生徒は、全ての試合で応援に行くことは出来ない。今日は、応援団の他は保護者や学校のOB.OGの一部くらいしか、行けない。スタンドは寂しいだろうが、仕方がない。
正直なことを言えば、さすがに今日の試合は負けないだろうと思ってる。でも勝負に絶対はないことくらい、私も知っている。
まして、今日の試合は白鳥先輩の調子が悪く、沖田くんが先発すると聞いている。大丈夫かな?私は、空いている彼の席に思わず視線を送ってしまう。
そして聡志だ。あれから、私達はたまに廊下ですれ違っても、視線も合わせない。あんな奴、もう幼なじみでもなんでもない。
幼稚園の時に、馬鹿な約束をしてしまったことは、私の一生の汚点。あの頃の無邪気だった幼い自分を叱りつけたい気分になる。
もっとも、あんな約束、聡志はとっくに忘れてるだろうから、別にいいけどね・・・。
この間は、もう2度と、口なんか利くもんかと、思ったけど、やっぱり気になって、練習見てても、見てないふりしながら、チラッチラッとあいつの様子を伺ってしまう私って、なんなんだろう。
あいつ、ヘマやってないかな?こないだみたいにワケ分かんないリードしてないかな?
なんて考えてると
「岩武、岩武。」
と私を呼ぶ声がする。ハッとして、その声の方を見ると、先生が怖い顔して、こちらを睨んでる。
「は、はい。」
「なにやら、物思いにふけっておられるところ、申し訳ないんだが、教科書の55ページを読んでいただきたいと先程から頼んでるんだがね。」
「はい、すみません。」
慌てて教科書を手にする私の目の端に、クスクス笑ってる悠の姿が映る。
チクショ〜、聡志のお陰で、恥かいた。聡志なんか、大っ嫌い!
私はフッと腕時計を見る。今は授業中、そろそろ試合が始まる頃だ。
学校が休みにかかる夏の大会と違い、秋季大会は平日にも試合があるから、生徒は、全ての試合で応援に行くことは出来ない。今日は、応援団の他は保護者や学校のOB.OGの一部くらいしか、行けない。スタンドは寂しいだろうが、仕方がない。
正直なことを言えば、さすがに今日の試合は負けないだろうと思ってる。でも勝負に絶対はないことくらい、私も知っている。
まして、今日の試合は白鳥先輩の調子が悪く、沖田くんが先発すると聞いている。大丈夫かな?私は、空いている彼の席に思わず視線を送ってしまう。
そして聡志だ。あれから、私達はたまに廊下ですれ違っても、視線も合わせない。あんな奴、もう幼なじみでもなんでもない。
幼稚園の時に、馬鹿な約束をしてしまったことは、私の一生の汚点。あの頃の無邪気だった幼い自分を叱りつけたい気分になる。
もっとも、あんな約束、聡志はとっくに忘れてるだろうから、別にいいけどね・・・。
この間は、もう2度と、口なんか利くもんかと、思ったけど、やっぱり気になって、練習見てても、見てないふりしながら、チラッチラッとあいつの様子を伺ってしまう私って、なんなんだろう。
あいつ、ヘマやってないかな?こないだみたいにワケ分かんないリードしてないかな?
なんて考えてると
「岩武、岩武。」
と私を呼ぶ声がする。ハッとして、その声の方を見ると、先生が怖い顔して、こちらを睨んでる。
「は、はい。」
「なにやら、物思いにふけっておられるところ、申し訳ないんだが、教科書の55ページを読んでいただきたいと先程から頼んでるんだがね。」
「はい、すみません。」
慌てて教科書を手にする私の目の端に、クスクス笑ってる悠の姿が映る。
チクショ〜、聡志のお陰で、恥かいた。聡志なんか、大っ嫌い!