Smile Again 〜本当の気持ち〜
今から3年半ほど前、俺は卒業を間近に控えた小学6年生だった。勉強の方はほどほどだったけど、地元の小学生野球チームのエースであり、自分で言うのも、なんだけど、快活でクラスでも目立つ方の男子だった。
ほとんどの友達やクラスメイトと一緒に、近所の公立中学に進むことも決まっていて、中学に入ったら、思いっきり野球に打ち込もうと張り切っていた。
そんなある日、いつもは仕事で帰りの遅い父さんが、珍しく早く帰って来たかと思ったら、俺を食卓に呼び、母さんを横に座らせると、こんなことを言い出した。
「聡志、実はお父さんは宮城県の仙台という所に転勤になった。」
「仙台・・・?」
とっさに、俺の脳裏には、社会の時間に習った日本地図が浮かんだ。宮城県というのは、確か上、つまり北の方にあった気がするけど、その時は正直ピンと来なかった。ただ漠然と遠そうだなとは思った。
「だから、聡志の卒業式が終わったら、引っ越しをすることになる。」
そうか、みんなと一緒の中学に行けないのか。
「それで、いつ頃まで、そっちに行ってるの?」
「いや、もうこっちに帰って来ることはないと思う。だから、この家も誰かに買ってもらうことになる。」
当然、何年かしたら、ここに戻って来る。そう思い込んでいた俺にとって、父さんの返事は、あまりに予想外だった。
それから、瞬く間に時は過ぎた。俺の引っ越しを、クラスメイト達は残念がってくれたが、どうなるものでもない。俺は平気な顔をして、毎日を過ごしていた。そうするしかなかった。
ほとんどの友達やクラスメイトと一緒に、近所の公立中学に進むことも決まっていて、中学に入ったら、思いっきり野球に打ち込もうと張り切っていた。
そんなある日、いつもは仕事で帰りの遅い父さんが、珍しく早く帰って来たかと思ったら、俺を食卓に呼び、母さんを横に座らせると、こんなことを言い出した。
「聡志、実はお父さんは宮城県の仙台という所に転勤になった。」
「仙台・・・?」
とっさに、俺の脳裏には、社会の時間に習った日本地図が浮かんだ。宮城県というのは、確か上、つまり北の方にあった気がするけど、その時は正直ピンと来なかった。ただ漠然と遠そうだなとは思った。
「だから、聡志の卒業式が終わったら、引っ越しをすることになる。」
そうか、みんなと一緒の中学に行けないのか。
「それで、いつ頃まで、そっちに行ってるの?」
「いや、もうこっちに帰って来ることはないと思う。だから、この家も誰かに買ってもらうことになる。」
当然、何年かしたら、ここに戻って来る。そう思い込んでいた俺にとって、父さんの返事は、あまりに予想外だった。
それから、瞬く間に時は過ぎた。俺の引っ越しを、クラスメイト達は残念がってくれたが、どうなるものでもない。俺は平気な顔をして、毎日を過ごしていた。そうするしかなかった。