Smile Again 〜本当の気持ち〜
なんて噂話の的になってるなんて、夢にも思わず、俺は1人教室で物思いにふけっていた。
昨日と一昨日の試合、白鳥先輩は連投になったけど、初戦は9回完投、2回戦は点差がついたんで6回で降板、後は沖田が投げた。いずれもまず、危なげない内容だった。
だけど、俺は気になることを、村井さんから聞いていた。
「これは監督以外には誰にも言ってない、松本にもだ。だが、キャッチャ-として、お前には伝えておく必要があると思うから、話しておく。」
「はい。」
「恐らく・・・白鳥は肩かヒジを痛めてる。」
「えっ?」
国体が終わり、いよいよ3年生が引退するという日、俺は村井さんに呼ばれ、衝撃的なことを聞かされた。
「あいつは何も言わんし、聞いたところで、恐らく認めようとはしないだろう。あいつはそういう奴だ。だが、まず間違いない。2年間あいつの球を受けて来た俺にはわかる。」
「村井さん・・・。」
「球の威力が微妙に落ちてる。久し振りにあいつの球を受けてみて、そう思った。たぶんあいつ自身が一番わかってるだろう。だから苛立っていた。ロードワ-クばかりやっていたのも、お前を嫌ってたとかじゃない。痛めてるところを少しでも休ませたかったからだ。それに、肩やヒジを痛めた時に、下半身を鍛えるというのは、理にもかなってる。」
「・・・。」
「その効果があったのかはわからんが、症状が少し好転したんだろう。県予選の時よりも調子が上がったのは、そのせいじゃないか。」
「でも、もしそうだとしたら、無理しない方が・・・。」
「確かにそうだ。しかし現実問題として、今のウチには、ピッチャ-は白鳥と沖田の2人しかいない。」
「それはそうですけど・・・。」
「関東大会は目前だ。ここを乗りきれば、春の甲子園に出られても、少し時間がある。そこで治療する時間も出来る。」
「・・・。」
「もちろん、あいつを潰すわけにはいかない。そうなる前にあいつを止めなくちゃならん。その為に、俺はお前にこの話をしている。」
「村井さん・・・。」
「白鳥を止められるのは、お前しかいない。塚原、お前の役目なんだ。頼んだぞ。」
(頼んだぞって、言われたって・・・。)
俺は困惑していた。
昨日と一昨日の試合、白鳥先輩は連投になったけど、初戦は9回完投、2回戦は点差がついたんで6回で降板、後は沖田が投げた。いずれもまず、危なげない内容だった。
だけど、俺は気になることを、村井さんから聞いていた。
「これは監督以外には誰にも言ってない、松本にもだ。だが、キャッチャ-として、お前には伝えておく必要があると思うから、話しておく。」
「はい。」
「恐らく・・・白鳥は肩かヒジを痛めてる。」
「えっ?」
国体が終わり、いよいよ3年生が引退するという日、俺は村井さんに呼ばれ、衝撃的なことを聞かされた。
「あいつは何も言わんし、聞いたところで、恐らく認めようとはしないだろう。あいつはそういう奴だ。だが、まず間違いない。2年間あいつの球を受けて来た俺にはわかる。」
「村井さん・・・。」
「球の威力が微妙に落ちてる。久し振りにあいつの球を受けてみて、そう思った。たぶんあいつ自身が一番わかってるだろう。だから苛立っていた。ロードワ-クばかりやっていたのも、お前を嫌ってたとかじゃない。痛めてるところを少しでも休ませたかったからだ。それに、肩やヒジを痛めた時に、下半身を鍛えるというのは、理にもかなってる。」
「・・・。」
「その効果があったのかはわからんが、症状が少し好転したんだろう。県予選の時よりも調子が上がったのは、そのせいじゃないか。」
「でも、もしそうだとしたら、無理しない方が・・・。」
「確かにそうだ。しかし現実問題として、今のウチには、ピッチャ-は白鳥と沖田の2人しかいない。」
「それはそうですけど・・・。」
「関東大会は目前だ。ここを乗りきれば、春の甲子園に出られても、少し時間がある。そこで治療する時間も出来る。」
「・・・。」
「もちろん、あいつを潰すわけにはいかない。そうなる前にあいつを止めなくちゃならん。その為に、俺はお前にこの話をしている。」
「村井さん・・・。」
「白鳥を止められるのは、お前しかいない。塚原、お前の役目なんだ。頼んだぞ。」
(頼んだぞって、言われたって・・・。)
俺は困惑していた。