Smile  Again  〜本当の気持ち〜
みんなが出迎えてくれるのは、嬉しいんだけど、俺達には後片付けやミーティングが残ってる。明日からは普通に学校だし、早く帰らなきゃな。


結局、俺達が学校を出たのは、9時を過ぎてしまった。


「じゃあな、また明日な。」


俺達にそう声を掛けるとキャプテンとみどりさんが仲睦まじく、手を繋いで帰って行く。遅くなったから、キャプテンがみどりさんを送って行くんだろう。


あの2人は、部活の間は付き合ってるという素振りも見せない。当たり前と言われれば、そうかもしれないが、でもまだ2人とも高校生だぜ。


だが、その代わり、部活から離れた途端に、ラブラブなのを一切隠さなくなる。本当にナイスカップル、羨ましいし、憧れるよなぁ。


あの2人の間に入り込むすき間なんて、絶対ないと思うんだが、それでも松本さんにもみどりさんにも告白する奴は、今だにいる。アホかいなと思う一方で、その勇気は素直にすげぇな、とも思う。


そんなことを考えながら、帰路についた俺は、疲れた身体を引きずるように、自宅の最寄り駅に降り立った。すると・・・。


(あっ。)


ちょっと前にもあった光景、由夏が1つ前の車両から降りて来た。ただ、あの時と違うのは、あいつの服装が可愛らしい私服だったのと、バッチリ目が合ったこと・・・。


「あっ、聡志。」


ちょっと伏せ目がちに、声を掛けてきたあいつに、俺は思わず声を荒げていた。


「お前、何やってんだよ。」


いきなりの俺の言葉にキョトンとする由夏。
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