Smile Again 〜本当の気持ち〜
3年生は去った。そして、春の選抜大会が近づいて来た。
やるべき準備はしたつもりだ。だけど不安なのは白鳥さんのケガの具合だ。ある日、俺は思い切って、白鳥さんに尋ねた。
「大丈夫なんですか、肩は?」
あるいはとぼけられるかと思ったが、白鳥さんはあっさりと答えた。
「ああ大丈夫だ。ちゃんと医者にも通ってるからな。」
「そうなんですか。」
「秋の県大会の頃が最悪だった。お前にも迷惑かけたよな。」
「いえ。」
「なぁ、ツカ。」
「はい。」
「今度の大会、しっかりリード頼むぞ。」
「先輩。」
「俺の方が先輩だが、キャッチャーはお前だ。俺がリードした県大会は決勝で敗れ、お前がリードした関東大会は優勝した。結果は明らかだろ。だが関東大会の時はまだ遠慮が見られた。だから自信持ってサインを出せ。頷いた瞬間に、あとは俺がお前のサイン通り投げられるかどうかの問題、つまり俺の責任だ。いいな。」
「わかりました、よろしくお願いします。」
「それはこっちのセリフだ。」
白鳥さんの明るい表情に、俺は安心した。だから、先輩の秘めた決意なんか、俺は知る由もなかったんだ・・・。
やるべき準備はしたつもりだ。だけど不安なのは白鳥さんのケガの具合だ。ある日、俺は思い切って、白鳥さんに尋ねた。
「大丈夫なんですか、肩は?」
あるいはとぼけられるかと思ったが、白鳥さんはあっさりと答えた。
「ああ大丈夫だ。ちゃんと医者にも通ってるからな。」
「そうなんですか。」
「秋の県大会の頃が最悪だった。お前にも迷惑かけたよな。」
「いえ。」
「なぁ、ツカ。」
「はい。」
「今度の大会、しっかりリード頼むぞ。」
「先輩。」
「俺の方が先輩だが、キャッチャーはお前だ。俺がリードした県大会は決勝で敗れ、お前がリードした関東大会は優勝した。結果は明らかだろ。だが関東大会の時はまだ遠慮が見られた。だから自信持ってサインを出せ。頷いた瞬間に、あとは俺がお前のサイン通り投げられるかどうかの問題、つまり俺の責任だ。いいな。」
「わかりました、よろしくお願いします。」
「それはこっちのセリフだ。」
白鳥さんの明るい表情に、俺は安心した。だから、先輩の秘めた決意なんか、俺は知る由もなかったんだ・・・。