Smile  Again  〜本当の気持ち〜
喜びを分かち合った私達応援団は、そのまま現地解散。勝利の余韻を楽しみながら、帰路についた私達は、しばらく夢中になって、いろんなことを話していたけど


「ねぇ、これからどうする?私は帰り道だから、学校寄って、みんなを出迎えようと思ってるけど。」


という悠の問いに、私はちょっと考えると答えた。


「ゴメン、今日は悪いけど帰るね。」


「うん、わかった。じゃ、凱旋して来たみんなの様子はレポートしてあげるよ。」


「ありがとう、よろしくね。」


私も頑張った野球部のみんなを出迎えたい気持ちはあったけど、この前のように、帰りが遅くなっちゃって、また怒られるのもね。それにちょっと考えてることもあったから。


家に戻ると、お母さんは出掛ける準備をしている。そう言えば、今朝ひょっとするとお父さんと夜、出掛けるかもとは、言ってたな。


私を置いて、どこに行くのかとは思ったけど、たまのデートの邪魔をするのも無粋なので、夕飯代と留守番料をせしめ、いそいそと出掛ける母親を見送った。


少しすると、悠からLINEで約束通り、野球部凱旋レポートが送られて来る。


松本先輩の画像も、いくつも送られて来て、思わずニヤついてしまう。悠、ありがとうね!


そして、もう今日は野球部もこのまま解散みたいだから、私も帰るね、とのメッセージが送られて来た時、私は時間を確認した。


そして、頃合いを見計らって、私は自転車で、家を出た。
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