Smile  Again  〜本当の気持ち〜
「よ〜し、今日はこれまでにする。」


監督の指示が、グラウンドに響いて、選手達は片付けに入る。


気が付けば、辺りはもう真っ暗と言っていいくらい。今日もあっと言う間に時間が過ぎて行った気がする。


「木本先輩、大変そうだったね。」


そう言ったのは、悠。


「うん。」


確かに、私も木本先輩の様子を見ていた。いつ休んでるんだろうと思うくらい、先輩は動き回っていた。


「私達にできるかな?」


不安そうに言う悠。


「わからない。でも、今は、やってみたい気持ちが強いな。」


「由夏・・・。」


「もちろん、まだ決めたわけじゃないけどね。さぁ、帰ろうよ。」


そう言って、歩き出した私だけど、次の瞬間、ギクリとして足を止めた。


「どうしたの?」


びっくりして、問い掛ける悠に


「ううん、何でもない。行こう。」


と私は笑顔で言う。でも私の心は動揺していた。


(そんなことないよ。あいつ・・・あの子がここにいるわけないよ。)
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