Smile Again 〜本当の気持ち〜
宿舎に戻った俺達は、汗を流す間もなく、ミーティング場に集合する。
佐藤さんの問いに答えて、白鳥さんが、肩の不調は昨年の夏からだったこと、治療は続けて来たが、状況は好転せず、この春以降は悪化の一途をたどっていることを正直に告げると、みんなは愕然と白鳥さんを見つめた。
当然なぜ黙っていたのか?知っていた監督以下の面々は、なぜこんな状態になるまで、白鳥さんを投げさせたのか、と詰め寄られたが
「俺が頼んだんだ、投げられる限り投げさせてくれと。俺がそれを望んだんだ。俺は最後の夏をベンチやスタンドで傍観するような立場にだけは、なりたくなかった。」
「白鳥、お前はここで終わっていいピッチャーじゃない。そんな自殺志願のようなことはしちゃダメだ!」
「ありがとう、佐藤。だけど、自分の肩のことは、自分が一番よくわかってる。残念ながら、ピッチャー白鳥徹の未来にもうプロも大学もない。だったら、今、ここで、力の限り戦わせてくれ。最後まで、お前達と一緒に。」
「白鳥・・・。」
白鳥さんの固い決意に、佐藤さんはもちろん、他のみんなも目を潤ませている。
「みんな聞いてくれ。」
監督が静かに話し出した。
「俺が監督として間違っていたのか、残酷なことをしたのか、それはお前達の判断に任せる。とりあえず明後日の準決勝は白鳥は投げさせない。」
「監督!」
不満げな声を上げる白鳥さんを無視して、監督は続ける。
「そして、もし決勝に勝ち上がることが出来たら、その時は白鳥を先発させる。」
「えっ?」
その言葉に、今度は俺が不満の声を上げたが
「わかりました。」
これ以上の反発や議論は無用とばかりに松本さんが答えて、ミーティングは終わりを告げた。
佐藤さんの問いに答えて、白鳥さんが、肩の不調は昨年の夏からだったこと、治療は続けて来たが、状況は好転せず、この春以降は悪化の一途をたどっていることを正直に告げると、みんなは愕然と白鳥さんを見つめた。
当然なぜ黙っていたのか?知っていた監督以下の面々は、なぜこんな状態になるまで、白鳥さんを投げさせたのか、と詰め寄られたが
「俺が頼んだんだ、投げられる限り投げさせてくれと。俺がそれを望んだんだ。俺は最後の夏をベンチやスタンドで傍観するような立場にだけは、なりたくなかった。」
「白鳥、お前はここで終わっていいピッチャーじゃない。そんな自殺志願のようなことはしちゃダメだ!」
「ありがとう、佐藤。だけど、自分の肩のことは、自分が一番よくわかってる。残念ながら、ピッチャー白鳥徹の未来にもうプロも大学もない。だったら、今、ここで、力の限り戦わせてくれ。最後まで、お前達と一緒に。」
「白鳥・・・。」
白鳥さんの固い決意に、佐藤さんはもちろん、他のみんなも目を潤ませている。
「みんな聞いてくれ。」
監督が静かに話し出した。
「俺が監督として間違っていたのか、残酷なことをしたのか、それはお前達の判断に任せる。とりあえず明後日の準決勝は白鳥は投げさせない。」
「監督!」
不満げな声を上げる白鳥さんを無視して、監督は続ける。
「そして、もし決勝に勝ち上がることが出来たら、その時は白鳥を先発させる。」
「えっ?」
その言葉に、今度は俺が不満の声を上げたが
「わかりました。」
これ以上の反発や議論は無用とばかりに松本さんが答えて、ミーティングは終わりを告げた。