嘘つきな唇
時刻
10時15分
駅に行くと、怒った顔の美希
「私10時って言ったよね!?」
「だって、1時間で準備できなかったもん。ご飯も食べなきゃだったし。」
「もー!翔達待ってるよ!」
「翔くん?」
「友達連れて来てくれたよ。」
絶対陽菜とお似合いだから♡
なんて嬉しそうな美希
翔くんは、美希の4つ歳上の彼氏
すごくすごく優しくて
私にとってもお兄さんみたいな存在
少し歩いた先のコンビニには
翔くんの自慢の車
「おー!陽菜ちゃん!おはよ!」
「おはようございます。待った?」
「いや、買い物してたから別に。」
ほら、優しい。
絶対怒るって事がない。
ジュースも買っておいたし、乗りな?
当たり前に助手席に乗り込む美希
私も後部座席の扉を開けると
タバコを吸ってる知らない男の人
キツい顔をしていて
ちょっと、
いや、かなり。
ビビる