嘘つきな唇
歳が同じくらいっていう事もあって
懐かしい歌で盛り上がる




これ高校生の時聞いてたー、とか

その時付き合ってた人の話とか




かなり大笑いして、時間は2時間経過





お手洗いに行こうと部屋を出る







「あれ?陽菜ちゃん?」




廊下をすれ違った男の人に腕を引かれる







「陽菜ちゃんだよね?」

「……あれ、…あーと…」







顔は覚えてる



あの時の怖い人





でも、名前が出てこない…
なんだっけ?







「…翔くんのお友達の方…」

「名前忘れたのかよ。笑」





苦笑いされる





そりゃあそうですよね。
大変失礼しました。






「智也です。あの時はどーも。」

「ああ、智也くん!こちらこそ。お久しぶりですね。何してるんですか?」

「同窓会の二次会。かなり騒いで疲れたからちょっと抜けてきただけ。陽菜ちゃんは?彼氏と?」

「いや、職場の飲み会です。」

「ふーん。…お酒飲めるようになったんだね。」

「おかげさまで。」

「そりゃよかった。」

「じゃあ…失礼します。」

「いや、待ってよ。ここで会えたのも運命だと思わない?連絡先教えてよ。」

「え?いや、思わない」

「ほらほら、早く!」





言われるがままにLINEを交換






連絡するね、って言い残し
颯爽と歩いていく智也くん








…子供には興味ない、的な事
言ってた気がするんだけどなあ…










でも、あの頃よりは
表情が柔らかくなった様な気がした

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