49日期限の恋
あの夏のこと
「綺麗だな」
いつもと変わらない青空。でも、あの日と重なる。
雲一つなく、ひこうき雲の線がとても際立つ。
君の心みたいに。君の心は淀みなく、ひとつの線の上を綺麗に辿っていく。その線の先には“死”があると、ずっと前から決まってたのかな。
そんなことを考えながら、部室の窓から空を眺める。もうあの人に届くことはないと。
「帰るぞ、心温」
「うん」
「今日も空眺めてたのか?」
「うん。悠弥に届かないかなって」
「そうか。あいつのことだから、いつだって心温のこと見てくれてるだろ」
「そう信じたいけどね」
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