好きです、田畑さん!
「田畑さん、何ぼやいてるのー?自分で親睦会参加するって言ったんじゃーん。それを今更、後悔してんの〜?」


そんな締まりのない話し方をする人は、あたしの知っている人の中では一人しかいない。



パッと隣を見ると、いつの間にか夜神があたしの隣の席に座ってお肉を口に運んでいた!




や、やっぱり夜神…!




「ちょっと!その席は瑠衣の席であって、夜神の席なんかじゃ、」


「あ。田畑さんにも肉、ひとつあげるね?はい、あーーん。」



と、夜神が串に刺さった状態でお肉をあたしの口元へと持ってくる!




なっ!!?



何をしているのよ、この男はっ!!?



好きでもない子によくも、こんな恥ずかしいことができるわね!?




夜神の行為にぎょっとしたけれど、動揺したら負けだと思って冷静に突っぱねようと試みる…。



「い、いらない!あたしの分、まだこんなにあるので。」


と、夜神の差し出すお肉をやんわりと手で制すると、目の前のピラミッドを指差した。



「え!?この肉、全部田畑さんの??こんなに食えるなんて知らなかったー…!田畑さんって、結構大食いなんだねー?」


「ちがっ!?こ、これはっ!!……女子のみんなから大量に貰っちゃって。よく分からないけど、お礼だとか言われて…。」



そう。



“こんな事”とは、ピラミッドのお肉のことだった。
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