好きです、田畑さん!
「ば、馬鹿じゃないの?!!あ、暑さでやられてるの?!…ほ、他の女の子にも同じようなこと言うくせに!!あたしは、えっと、……だ、騙されないから!!」


と、夜神の腕の中で身じろぎをしようとする!



が、逆に夜神の腕に力が入ってぎゅっと強く抱きしめられる!!



「ちょっ、苦しい……!」


バンバンと力を加減しながらも夜神の背中を叩いてそう訴える。



「夜神!苦しいし、暑いし、誤解されるから、もういい加減に離してよ!」


「だって、田畑さんが分からず屋なのがいけないんでしょ。」



はあ!?



分からず屋って、あたしが!??




「何を言って?!意味がわからな…」


「誤解させておけばいいじゃん。俺はなにも困ることはないもん。」


いや、あたしが困るんだよっ!!



それに開き直ってどうするのよ?!



と、心の中で鋭いツッコミを夜神にいれる。



すると、ゆっくりと夜神の熱が遠のいていき、奴の拘束から解かれた。



ほっ。



よかった。



不思議に思い、ふと見上げる。



そこには口元を綻ばせて少し照れた顔の夜神がいて、なぜか慈しむような目でこちらを見つめていた…!



その瞳に見つめられ、あたしは鼓動が高鳴ってゆく。




「俺じゃダメ?」


「え?」


「俺じゃ、不満…?」



???


なんのこと?


不満って、どういう意味?
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