好きです、田畑さん!
そう言うと夜神はスルリとあたしの腰に手を回してきて、艶めいた瞳を向けてきた…!



「っ!!?ちょっ!?ち、近いってば!!」


奴の悪ふざけの攻撃に耐えられず、夜神の胸に手をつくあたし。


だけど夜神はそんなあたしの反応を楽しんでいるのか、攻撃を緩めるどころかさらに攻めてくる!



「ねぇ。どうするの?箸から食べるの?それとも俺の口から食べる?早く選ばないとさ、俺、田畑さんに何するかわかんねえけど?」


「は?!な、何を言って?!ど、どっちもしないよ、そんなこと!!!」


「へーーー。じゃあさっきから嘘をつくその口を今すぐ塞いじゃおうかなー?」



すると今度は腰に回された手を夜神は自分の胸に置かれているあたしの右手を掴むと、自分の口元へと運ぶ。



そして強引にあたしの指を自分の唇に当ててきた…!




「っ!?な、なにするっ!!?」



「俺のコレで、塞ごうか?田畑さんの口。」




んなっ!!??



ななな何言ってんのコイツは!!!



からかうにも“程度”というものがあるでしょっ!!?





しかし、



「ほら。早く決めないと俺、マジでするけど?今どこの誰かさんが上の空だった所為で機嫌ちょっと損ねてるんだよねー、俺。」


と、冗談なのか本気なのかが全く判別できない刺すような目をしている!



それに夜神は外側は笑ってはいるけど目の奥は決して笑ってはいない……。




き、機嫌を損ねてるって、


もしかしてあたしが智国くんに気を取られていて、夜神の話を全然聞いていなかったから……、っていうこと?



ということは、こんなことになってるのって全部あたしのせい……ってこと?!
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