花と雫

***

ピンポーン

インターフォンを鳴らせば、いつもよりだいぶ低い声で「はい」と返事が聞こえた。

「楓ー来ちゃった」

てへっのノリで言うとすぐさまにインターフォンが切れた。
そして、中からバタバタという足音が聞こえる。
平日の夕方ということ楓ママはお仕事中だ。
つまり、バタバタと激しく走り回っているのは楓ということになる。

「あいつ何してんの?」

思わずそうこぼすと、麗奈とユリは顔を見合わせて笑う。

「そういう所はまだ子供ね」

「いやいや、常に子どもじゃん」

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