花と雫

「冬華ちゃん、もう来るって?」

ケーキがいっぱい乗った皿を持ちながらいつの間にがそばにやってきていた美穂が首を傾げた。

「あぁ、もう着くって」

そう、美穂に言った時、
入り口から誰かが入ってくる音がした。

「やっときたみたいやな」

誰より先に反応したチカは入り口にほうに目を向けると冬華に向かって手を振った。

「遅れてごめんなさい、寝坊しました」

やっぱりな、と思ったと同時にその姿を見つめる。
桜をモチーフとしたドレスを着て、髪飾りをつけている冬華。

いつもと少しだけ違う様子に悠真は一息吐き出した。


< 38 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop