花と雫

***


「みんなかっこいいね、ていうか美穂!!めっちゃ可愛い、可愛すぎるよ!!」

桜色のドレスを着て、スイーツを持っている美穂はいつも以上に可愛い。
男子組はというと、正装としているスーツは制服とは違う大人っぽさを助長し、妖艶さを持っている。

「冬華ちゃんも可愛いよ、とっても、綺麗」

そうにっこり笑った美穂に少しドキドキする。
お世辞でも可愛い、綺麗と言われてうれしくない女子はいない。

「はっ、あんま変わってねぇよ。やっぱブスはブスのまんまだな」

そう鼻で笑う潤を見つめ、冬華はため息をついた。

「はいはい、そーですね」

「まあまあ、もうすぐダンス始まるし仲良くしようよ」

と間に入った夏樹のためを思い、息を吐きだし、にっこりと笑った。

「そうだね、じゃあ私ホールの方に行ってくるね」

そういって、冬華は駆けだした。

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