花と雫
「そりゃあね、あんだけ個性的な美形がつるんでりゃ目ぇつけられるわ」
悠真の知り合いを思い出し冬華は苦笑した。
財閥や家元の息子やら、なにやら、はっきりとは覚えていないがそんな感じだっただろう。
冬華もちらりとその姿を見たことがあるが、THE美形集団であったとだけは伝えておく。
だが。
冬華はその時のことを思い出し、不意に首を傾げた。
「でもあれじゃない、それだったら悠真もメンバー入りするんじゃない?」
確か、悠真の知り合いは5人だった気がする。
対して、生徒会の枠は7つである。
生徒会長、副会長2名、会計2名、書記、庶務である。
全員2年生で形成され、引継ぎなどは理事長よりされる。
ということを踏まえれば悠真も入るだろうという冬華の考えに悠真は「かもな」と一言だけこぼした。
「はい、ご愁傷様ー、めんどいこと頑張ってね」
冬華が他人事のように笑えば、悠真は少し考え込むようにして真顔になった。
「俺は、お前もあると思うけどな」
「ちょっ、冗談はよしこちゃん。不吉な事いわんでよー」
そんな風に言えば、じろっと悠真に冷たい視線を浴びせられる。
「まぁ、真面目な話。私はビジュアルのいい子を入れてくると思うけどなぁ」
残念ながら自分が、その部類に入っていないことは自覚している。