花と雫
***
「まさかお前が参加するとは思わなかったよ、亮」
「まーめんどいことは嫌いだからな、こんなん開始だけ出てすぐ帰るつもりだったんだけど気が変わったんだよなー」
隣の雅人がジュースの入ったグラスを片手にそういった。
それに返事をしつつ、気を変えた人物を目で探していた。
あの女は必ずいる。
接触できるか、できまいかはおいておいても、あの女の周りの人間を見ていて損はないだろう。
別に恨みなんてない。
だが、ああいう女をかき乱したいと思うだけである。
「うわー亮、悪い顔してる」
「そりゃ、そーだろ。せっかくのチャンスなわけだしな」