花と雫
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「えーでは、宵も更けてまいりましたところでダンスのほうを開始させていただこうと思います」
ケーキをほおばっていると突然照明が落ち、スポットライトで壇上が照らされた。
「今宵は親交を深めるという目的がございますので、上下関係なく皆様楽しみましょう」
奏が言い切ると、照明が戻った。
先ほどまで白く明るかったはずの会場は一瞬にして、電球色の温かいものへと変化した。
「うわぁ、開始ですって言ったばっかなのに会長たかられてるねぇ」
隣でグラスに入った氷をもてあそびながら麗奈が正面を見据える。
「ほんとだ、人気あるんだね」
冬華は食べる手を止め、皿を机の上に置いた。
麗奈と同じように奏に視線をやれば、心なしか嫌な顔をしているような気がする。