花と雫
「相変わらずよく回るお口ですねー。ていうか今日はもうこれでおしまい?」
「せやなぁ、あんまり絶対順守の決まりなんてないからもう帰ってる人は帰ってるんちゃう?たぶん、潤とか悠真ももう帰ってるんちゃうかな」
「そうなんだ、見ないなーって思ってたらそんな緩い感じで帰ってたのかー」
他のみんなはどうなのだろうかとあたりを見回すもこの多い人の中見つけることはできない。
ちらりと時計を見れば、もうそろそろいい時間であった。
本当にこの学園は鬼畜なスケジュールを組んでいるのだが、こんなパーティーをした次の日だというのに明日は平常授業が組まれている。
というわけで、さっさと帰って寝てしまいたいというのも本音である。
冬華は小さくため息をついて、もう一度チカを見つめた。
「じゃあ、私も帰ろうかなー。チカはまだここにいるの?」
「そーやな、奏と夏樹と一緒に帰る約束しとるからまだもうちょっとおるわ」
「そっか、じゃあもしなんかあったら電話して。じゃあ私帰るね」
にっこり笑ってそういうとチカは「りょーかい。じゃあおやすみ」と言って手を振ってくれた。
「うん、おやすみ」
冬華は手を振りかえしながら、会場を出た。