花と雫

むっと顔をしかめて麗奈と向き合っている冬華を後ろから肩を抱いてのしかかってきた楓に肘をみぞおちに入れてやる。

「そうだそうだ!!」

と盛り上がる男子勢をバックに楓はうっとうめき声を漏らした。

「誰が同性だバカ!私はぴちぴちの女子高生なんですぅ!!」

「はいはい、わかったからさ。放送で生徒会役員に選ばれた人は理事長室までって言われてたから行っといで。斎藤はもう行ったよ」

向きになって言い返す冬華の頭をポンポンと叩き、姐さんことユリが優しく笑った。

「はぁ!?あいつ意味わかんない!行ってくるね!!」

一言声かけろよ!と先に行った悠真に言い捨てながら理事長室に向かって走った。

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