花と雫
「わっ」
思いっきり抱きしめられると、泣き声が聞こえ始める。
「大丈夫だった!?なにも、されてない?」
ずるずると泣く美穂を見つめながら、微笑む。
「大丈夫、なにもされてないから。はいはい、美穂泣かないで」
美穂を慰めながら、これではどっちが襲われていたのか分からないななんて思う。
「無茶するなって言っただろ」
と、渡部のポケットから手錠のカギを持ってきた悠真がなぜか不機嫌そうに言う。
美穂が離れ、悠真に腕を出せば「お前っ」と絶句される。