花と雫

「そろそろ帰ろうかな」
そう呟き、立ち上がろうとしたとき生徒会室の扉が開いた。

「悠真、なんでここに?」

さきほどより不機嫌タイムが続行中の悠真がまだ仏頂面のまま入ってくる。

「なんとなく」

何となくで来るほど暇なのかと思うが、あえて言わない。

「そっか、なんか飲む?」
紅茶でも入れようかと立ち上がろうとすれば、「いい」とだけ返ってくる。
まるで、拗ねている子どものように、いや。
大きな子供な分余計質が悪いが、機嫌はまだよくはないらしい。

< 92 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop