花と雫
「ええっと」
謎の沈黙が訪れ、冬華はゆっくりと口を開いては閉じる。
昨年から同じクラスでよく話すというのに、こういう時にすんなりと言葉が出てこない。
そして、考えたあげく
「ええっと、なんか怒ってるよね?」
結果、火に油を注ぎそうな言葉だった。
案の定そのしかめっ面をさらに険しくした悠真は呆れたようにため息をついた。
そして、グイっと腕を掴まれ、そのまま後ろに倒される。
「えっ?」
気が付けば、ソファに押し倒されている自分に気が付いた。
ギシッとソファの音が鳴れば、冬華の上に悠真が覆いかぶさる。
狭いソファの上で、腕は頭上で抑えられ身動きすら取れない。
「えっと、悠真さん?」