花と雫
意味が分からず名前を呼べば、悠真はその瞳でじっと捕らえてくる。
すぐ出るつもりでいた生徒会室内は電気がついておらず、外から差し込んでくる月の光だけが二人を照らす。
「お前、本当にわかってんのかよ」
やっとしゃべったと思えば、そんな言葉だった。
「何を?」
まだ悠真の言わんとしていることが分からず聞けば、悠真にしては珍しく小さく舌打ちをする。
「無茶するなって言っただろ」
そこでやっと。
ずっと心配してくれていたことに気が付いた。
「うん、だから私のやれる範囲のことをした。無茶はしてないよ」
微笑んでそう言えば、更にいらだったような顔をする。