花と雫
***

「何してんだ、俺」

冬華がいなくなった生徒会室で悠真はぼそりと呟いた。
冬華に触れられた頬がまだほんの少し熱を持っている。

あの時、自分は何を言わせたかったのか。
それすらも、よくわからない。

悠真は月明かりに手を掲げながら、そっとため息をついた。


「帰ろう」

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