ちゃんと伝えられたら
でもこれ以上坂口さんと一緒には仕事は出来ない。

もっと割り切って仕事が出来ると思っていたけれど、想像以上につらかったからそれも良いかもしれない。

「俺達、やっぱりちゃんとしよう。」

私はぼんやりとうなずく。

坂口さんの次の言葉が怖い。

「俺は志保がそばに居ないとダメだ。やっぱりすべてで補佐をしてほしい。仲直りをしよう。」

「えっ?」

坂口さんの思ってもみない言葉に私は顔を上げる。

「こないだの言葉にどうしても納得がいかなくて、絶対俺からは歩み寄らないと決めていた。」

それはさっき唐突に出て来た坂口さんの言葉。

私は資料室で坂口さんに後ろから抱きしめられた時のやり取りを思い出す。

「いろいろと考えさせられたが…、やっぱりお前の事ばかり気になってしまう。」

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