ちゃんと伝えられたら
12
オフィスに戻ってから、そわそわして仕事が手につかない。
パソコンに向かっても、画面が上滑りする。
そして手が止まる。
「篠田、仕事に集中しろ。」
ついに坂口さんの声が飛ぶ。
「今日の会議録はちゃんと仕上げろ。今日中にしなければならない書類がまだあるはずだろう。」
きつい言葉の割には、坂口さんの表情は優しい。
坂口さんとあんな状態だったから仕事ははかどっていたはずなのに、それでもやらなきゃいけない事は山積みだ。
「俺は少し外出してくる。今日は必ず会社に戻って来るから。」
そして坂口さんは私のデスクにやって来た。
私はそっと坂口さんを見上げる。
私のおでこにそっと唇で触れる坂口さん。
「逃げるなよ。」
パソコンに向かっても、画面が上滑りする。
そして手が止まる。
「篠田、仕事に集中しろ。」
ついに坂口さんの声が飛ぶ。
「今日の会議録はちゃんと仕上げろ。今日中にしなければならない書類がまだあるはずだろう。」
きつい言葉の割には、坂口さんの表情は優しい。
坂口さんとあんな状態だったから仕事ははかどっていたはずなのに、それでもやらなきゃいけない事は山積みだ。
「俺は少し外出してくる。今日は必ず会社に戻って来るから。」
そして坂口さんは私のデスクにやって来た。
私はそっと坂口さんを見上げる。
私のおでこにそっと唇で触れる坂口さん。
「逃げるなよ。」