ちゃんと伝えられたら
「お前、無理していないのか?」

ついに私は声を上げた。

「坂口さん、一体どうしたんですか?」

そんな私の声に、坂口さんはハッとしたように私を見つめる。

「…すまん、心配で…。」

ん?私の聞き間違えだろうか。

「坂口さん?」

すると坂口さんがほんのり顔を赤くしたような気がする。

「坂口さん?」

思わずもう一度名前を呼んでしまった。

「もう黙れ。」

その瞬間、坂口さんにぐっと引き寄せられる。

「えっ…?」

私の唇はそっと坂口さんに塞がれている。

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