ちゃんと伝えられたら
もしかしたら、この間も…。

すると坂口さんは私のうなじに唇を這わせる。

「志保…、お前が好きだ。」

「さっ…、坂口…さん…。」

「道人にも寺本さんにも渡さない…。お前は俺のモノだ。」

私は坂口さんの言葉に自分の身体が反応する事を、嫌というほど意識する。

「私も…、坂口さんから離れたくありません…。」

坂口さんが私から身体を放した。

「えっ?」

私は思わず振り返って、坂口さんの胸へと飛び込む。

「志保、良いのか?」

坂口さんの腕と言葉が私を優しく包む。

私はゆっくりとうなずく。

「私も坂口さんが好きです。」

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