ちゃんと伝えられたら
「ん…、ベッドを借りるぞ。」

「うわっ。」

軽々と私は抱き上げられると、ベッドに優しく下ろされた。

「仕事以外の志保を十分感じさせてもらおうか。」

坂口さんはふっと笑うと、私に覆いかぶさるようにキスをする。

「さっ…、坂口さん。」

すると坂口さんは私の顔をじっと見つめる。

「俺さ、綾人って言うんだ。」

「はあ…。」

至近距離の坂口さんの言葉が耳に入ってこない。

「プライベートの時は名前で呼べよ。ここでは俺は上司ではない。」

「ん…。」

考える暇を与えられないうちに、またキスが落とされる。

熱い…、坂口さんが触れている場所が特に。

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