ちゃんと伝えられたら
「いつも俺が折れる事になってしまうみたいだな。」

坂口さんの手がお腹に回った。

「今日はこのままの方が良いか?」

私は何の反応も示さなかった。

「まだまだ俺の気持ちの方が大きいみたいだな。」

寂しそうにつぶやく坂口さん。

「…志保…?」

私は無意識のうちに肩を震わせていた。

「どうした?」

坂口さんは慌てて起き上がって私を飛び越えると、私の横に来て私の顔を覗き込む。

「志保…、お前…。」

「私、どうしてこんなに自分の気持ちを伝えるのが下手なんでしょうか…。情けないです…。」

この気持ちは…、そう、あの時の雨の日に感じた…。

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