ちゃんと伝えられたら
「今日も行くからな。仕事にちゃんとキリをつけて家で待っていてくれ。」

耳元で囁く綾人さんの声は甘い。

そしてそっと私の額にキスをする綾人さん。

「行ってくる。」

「い…、いってらっしゃい。」

私はドキドキしながら、綾人さんを送り出す。

「ああ…。」

目をつぶると、昨日の記憶がよみがえってくる。

一体何度綾人さんと一つになったんだろう。

溢れ出す女としての自分の姿が、自分の中に鮮烈に現れる。

「あっ…。」

私は更に赤くなった自分の表情を持て余して、思わずしゃがみ込む。

そして同時に思い出す。

綾人さんの人肌の温かさ、溢れる優しさ、男性としての力強さ。

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