ちゃんと伝えられたら
20
道人さんの部屋を出ると、綾人さんは黙々と歩き続ける。
…私の手を強く握って。
目の前に綾人さんのマンションが見えて来た時、綾人さんは急に立ち止まった。
「お願いだ…、もう一人でどこかに行ってしまわないでくれ。」
綾人さんは私を強く強く抱きしめた。
「もう気が狂いそうだった…。」
「綾人さん…。」
「初めてだ、仕事を放り出して人を探し回るなんて。」
綾人さんは自虐的に笑った。
「えっ?」
「こんなメモを残して姿を消すなんて、お願いだからもうやめてくれ。」
綾人さんは私が残したメモをひらひらさせた。
「そんなつもりじゃなかったんです。」
私はそれを取り上げようとした。
…私の手を強く握って。
目の前に綾人さんのマンションが見えて来た時、綾人さんは急に立ち止まった。
「お願いだ…、もう一人でどこかに行ってしまわないでくれ。」
綾人さんは私を強く強く抱きしめた。
「もう気が狂いそうだった…。」
「綾人さん…。」
「初めてだ、仕事を放り出して人を探し回るなんて。」
綾人さんは自虐的に笑った。
「えっ?」
「こんなメモを残して姿を消すなんて、お願いだからもうやめてくれ。」
綾人さんは私が残したメモをひらひらさせた。
「そんなつもりじゃなかったんです。」
私はそれを取り上げようとした。