ちゃんと伝えられたら
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「出来ました。チェックをお願いします。」

それから数時間後、ひっそりとしたオフィスに私の声が響いた。

さっきから何度も寺本さんから電話が来ている。

それに対応するのは、綾人さん。

そしてその電話口で綾人さんはさり気なく、でも繰り返し嫌味を言っている。

「お宅の上層部は何を考えているんですかね。こんな状態で篠田を外すなんて。撤回するようによろしくお願いしますよ。」

そんな綾人さんの声に気を取られないように、仕事に集中するのも大変だ。

「よし、このデータを寺本さんに送ってくれ。」

私はメールを送信すると、肩の力を抜いた。

私が書類を作成している間も何やら仕事をしている綾人さん。

私達の仕事はまだまだ山積みだ。

「もう少し仕事をしていっても良いですか？」

そんな綾人さんの姿を見ながら、私はそう聞いた。

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