ちゃんと伝えられたら
綾人さんはやっと重たい腰を上げた。

「そうだな。やる時はやらなきゃな。」

そして綾人さんはニヤッと笑った。

「志保の新しい面を見る事が出来て、安心した。」

「えっ?」

「しっかりした奥さんになりそうだ。会社での様子とその辺は違って新鮮だ。」

私はそんな綾人さんの言葉に赤くなる。

「さあ、早く片付けてしまおう。志保の夕食が楽しみだ。」

やっぱり綾人さんの方がずっとずっと上手のようだ。

私は顔を見合わせて、微笑み合う。

「でも課長に話すのは早すぎたかもしれませんね。だって自分達がどうなるか分からないのに…。」

「志保は本当にそんな事を思っているのか?」

綾人さんはちょっと意外そうな顔をした。

「きっと大丈夫さ。俺ももちろん志保も。」

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