ちゃんと伝えられたら
綾人さんは私の言っている事があまりピンと来ていないようだったが、手を合わせた。

私は綾人さんを伺いながら、ゆっくりと夕食を取る。

「ごちそうさまでした。」

こないだもそうだったけれど、こんな所に律儀な綾人さんに私はクスリと笑う。

「志保の言う通りだ。薄味なのにしっかり食べた気がする。」

「繊維質が多いとしっかり噛まないといけないからです。」

私は得意げに笑う。

「そうそう、お風呂の準備はお願いしますね。私は食事の後片付けをしますから。」

「そうだな。」

綾人さんは立ち上がった。

まだまだここには不慣れな私。

でも…、こんな会話をしていると自然ににやけてしまう。

「志保。」

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