教育係の私が後輩から…
キクさんについて、重役専用会議室へ入ると、最初に、誠一郎と目が合った。
そうだよね…
当然、あんたも居るよね…?
私は、誠一郎から目をそらすと、真っ直ぐ前を見て、一礼した。
すると、副社長らから、一斉に責められた。
「どうして、君がここに居る!? 」
私だった、来たくないですよ!
呼ばれたんだから、仕方ないでしょ!?
「私が呼びました。」
「社長!? 部外者を入れて、何をするおつもりですか!?」
「ここには、悲しい事に、裏切者が居ます。
会社を潰そうとする、裏切者が誰なのか、彼女に、調べて貰ってたんです。」
「じゃ、やっと、専務を処分する気になられたんですね?」と、副社長が嬉しそうに言う。
「処分は、彼女の報告を聞いてからにします。ここに居る皆さんも、それで良いですね?」
社長の言葉に、キクさんと、誠一郎、そして専務夫妻を除く、全ての者が騒ついた。