教育係の私が後輩から…

「し、知らん!
そんな女、私は知らん!
私は妻を愛してる、他のおんなとなんて!」

「そんな… 私を愛してるって言ったのに…」

「私がそんな馬鹿なこと、言う訳ないだろ!?」

「この香水だって、私の為だけに作らせたものだって!」

日比野さんの言葉に、誠一郎の母親は、席を立ち、日比野さんに近づいた。
そして、日比野さんの頬を、「この泥棒猫!!」と、叩いた。

「あなた、どういう事ですか!?この香水は、私の為に作らせたものですよね!?」

「いや、…それは、あっ、一度、盗ませた事があった! そうだ。この女が盗んだんだ!」

苦しい言い訳だこと。
副社長室に、そう簡単に盗みに入れる訳無いじゃない。

「酷い! 恨みを晴らしたら、奥さんとは、別れて、私と結婚するって言ったじゃない! だから、あなたの言うこと聞いて、佐伯さんを階段から突き落としたのに…」

「それは、どういうことですか!?これはもう、うちわで済む話ではない様ですね?」

キクさんの言葉に、副社長は観念した様で、悔しそうに話し出した。





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