教育係の私が後輩から…

第2秘書になって、英会話が話せないと困ると言われ、マンツーマンで佐伯に教わってる。
俺は、学生の頃から、英語だけは、苦手だった。まさか、今になって覚えないといけなくなるとは…。

「Rと、Lの発音の違いなんて、分かんないよ! 日本語を世界共通語にすれば良いじゃん! 日本の観光客数だって増えてるんだし!」

「馬鹿な事言ってないで、兎に角、寝る前にも、CD聴いて復習してよ?」

秘書の仕事だけでも、半端なく忙しいのに…
昼飯もまともに食えないし、そのうえ、家に帰ってからも、英会話のレッスンCD聴けって、マジ地獄だわ…。

「はぁ…毎日毎日、レッスン、レッスン…
最近は夢にまで出て来て、夜中に目が覚めるし…

マジ、俺、秘書なんて無理じゃねぇ?
はぁ… 人間が、十月十日で出来上がって、生まれてくるなんて奇跡過ぎるだろ?

確か、哺乳類動物では、像がもっとも妊娠期間長くて、2年?とか、だよな?

佐伯も、あと1年位、出産伸ばせねぇかな?
そしたら、俺も少しは…

あーもう…
頭いてぇーよ…。
マジ秘書なんて無理じゃねぇ?

「佐伯は…ホントに、俺が秘書になれると思うか?」

「誠一郎が、決めたんだから、なれるじゃない?」

なれるんじゃないって…
簡単に言うなよ…

「でも…英語なんて、俺喋れないし…英語って聞いただけで、蕁麻疹出そうだし、今だって胃が痛いし、頭痛も…
お前みたいにスケジュール管理なんて…
俺、自信ないよ…。」

「七本、覚えてる?
有馬社長の件で、誠一郎が、自分の為に頭下げてくれたって感激して、一生この人について行こうって思った。って、あんた言ってたじゃん?」

「ああ、あの時、あの人、俺の為に土下座までしてくれて、マジ嬉しかった。」

「誠一郎もさ、お祖父さんの残した、資料課の資料を宝だって言って貰えて、嬉しかったて言ってた。 同じ想いのある私達は、同士なんだよ? 私は時期に退社する。 私の代わりに、彼を支えてくれないかな?

これから、新体制になって、大変だと思う。副社長の事もあるし、だからこそ、信頼出来る同士の七本に側にいて欲しいって言ったんだよ?」

「社長が…?」

「うん。 だから、七本には頑張って欲しい。 お願い。誠一郎の力になって?」

「同士か… 仕方ない。 いっちょ頑張りますか?」

「じゃ、その気になったところで、もう一度初めからね?」

「へぇーへぇー。」






英語英語英語!
最近、夢にまで出て来る。
夕べなんて、何度目が覚めたことか…

なんで俺、英語だけ避けてきたのかなぁ
今更後悔しても仕方ないけど…

猪瀬社長が俺を同士と、思ってくれてるだ! その思いに答えよう。

しかし、難しい…。






< 133 / 135 >

この作品をシェア

pagetop