教育係の私が後輩から…
「はい。私もそのつもりで来てますから?」
「やっぱり婆さんより、若くて綺麗な方が良いからな?」
社長も私の気持ちを察してくれてる。
「社長!奥様に失礼ですよ?」
社長は本当の事だと笑い、奥様は慣れてますからと笑う。
「あなたお食事は…」
「そんなもの適当に食べるから、早く行きなさい。宣美、私達も寝室へ行こうか?」
「社長、その前に少しお話聞いてくれますか?」
「……冬馬の事なら、話は終わってる。」
「有馬社長、私に少しだけ、お時間下さい。」
私が頭を下げると有馬社長は、ため息をひとつつき「聞くだけ聞こう?」と言ってくれた。
私は、今回の七本の失礼を詫びたうえで、Y社のCMで冬馬を起用する条件を伝えた。
「この条件でY社は納得したのかね?」
「はい。元々は、矢田社長の娘さんである、Y社専務が冬馬のファンだと言うことからの話だったそうで、今回限りとの話で納得していただきました。有馬社長にも、ご迷惑をお掛けしたと、矢田社長も謝っておられました。」
「………」
「今回だけ、お願い出来ないでしょうか? 既にあちらは発表もしておりますので…」
「分かった。宣美にそこまで頼まれては断れんか
らな?
まぁ、君の復帰祝いに、承諾しよう!」
「ありがとうございます。」
私は、七本に社へ戻り、契約手続きの準備をするように伝え、次いでに、奥様を送る様に頼んだ。
そして、私は社長と隣の寝室へと入った。