教育係の私が後輩から…
誠一郎 side
佐伯宣美。
彼女の事は社内中で噂になってた。

男癖が悪くて、女ウケも悪い。
やたら仕事が出来て凄く偉そうで、営業成績が良いのは、取引先と寝てるからと…

そして理不尽な事言う奴は、上司だろうと関係なく楯突く。
彼女に肩書は通用しないらしい。

そんな彼女を社内の人間は "淫乱鉄壁女" と呼んでる。
だが、そんな女を祖母である、社長は何故だか気に入ってるらしい。そして会社を俺に譲る変わりに彼女の下で仕事を教われと言った。

別に会社など要らない。

ただ、あまりにもお袋が帰ってこいと煩いから帰って来ただけだ。
帰国すると、会社内は、副社長派と専務派の派閥争いになっていた。

しかし、副社長である親父に、対抗意識の無さに、お袋は親父から俺に乗り換えたらしい。
確かに叔父は曲者だ。昔からなに考えてるか分からない様な人だった。
子供ながらに、近付いてはいけない人だと感じてた。
だからと言って、お袋が望む生き方はしたくない。その為に高校卒業すると同時に海を渡ってお袋から逃げたんだから…。

まぁ適当に遊んで、時が来たら、独立してやる。
その前に、仕事に躰を使う遣り方は気に入らない。
少し懲らしめてやるか…?




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