教育係の私が後輩から…

３年前

「だ・か・ら！！
こんなに大きな案件、女の君に任せられる訳ないだろ！？ そのくらい君も分かるだろ！？」

「でも、これは私のプロデュースで、とってきた仕事です！
私にやらせて下さい！」

「君はもっと協調性を持ち給え！
いくら成績が良くても、チームの和を乱す様な事では困ると、何度も言ってるだろ！？
どうせ結婚までの腰掛けなんだろ？
手柄は男に譲るもんだ！ ｸﾞﾀﾞｸﾞﾀﾞｸﾞﾀﾞｸﾞﾀﾞｸﾞﾀﾞｸﾞﾀﾞ」

グダグダいつまでも続く課長の小言。
こちらが折れ、自分の思う返事がもらえるまで続くだろ。 きっと永遠と…
それはいつもの事。
だが、その時ばかりは、私もひきたくなかった。

ホントうざい！

女は皆んな、結婚までの腰掛けだと決めつけている時代錯誤の、バカ課長(オヤジ)！

成績を出せって言うから出せば、女に任せられない？？

もっと協調性を持てだ！？
協調性の意味を履き違えてるのはお前らだろ！！

私が結婚までの腰掛だ！？
誰がそんなこと言った！！
勝手な事言ってんじゃないぞ！？

「資料は全て七本君に渡すように！
君には別の仕事をやって貰うから！
いいね！？」

「……ｲﾔﾃﾞｽ」

「ん？　なにか言ったかね？」

「これは有馬社長が、私のプロデュースを気に入って契約して下さったんです！
それを他の人に任せるなんて、そんな無責任な事、私出来ません！！」

「フッ…君のプロデュースね？」

なに？
含みをもった言い方？
ムカつくんだけど？

「何が言いたいんですか!?」

「君の身体を気に入っての、間違いじゃないの？」

はぁぁぁ!?　

「課長！！
言って良い事と悪い事が有りますよ！？
失礼にも程があります！！
私だけじゃない、有馬社長にも失礼です！！」

「そうかな？
今迄、誰が営業に行ってもダメだったのに？
ここ(営業企画部)に来て２年や３年の君なんかのプロデュースを、気に入ってくれるわけ無いだろ？
今迄の仕事も全て、身体つかって取ってきたんだろ？
君の営業成績のお陰で私の評価も上がって有り難いけど、今回の件は相手が大きいからね？
なんとしても次に繋げたい訳だよ？」

この男は女を見下し、女は仕事が出来ないと思ってる。私の営業(成績)が良いのは、躰を使っての事だと思ってる。ホントに馬鹿な男だ。
きっと、女の私のいう事なんて、はなから聞く耳など持たないだ。