幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
「……どう?甘いでしょ」
ぺろっと自分の唇を舐めながら、平然とした顔でそんなことを聞いてくる。
甘いとか、アメのことなんて今はそんなことどうだっていい。
それよりも、あっさりとファーストキスってやつを奪われたほうが重大だ。
「な、何するの……っ!!」
思いっきり身体を押し返して、唇を擦った。
「何って味見?」
「あ、ありえない!!最低!!」
好きでもない相手に、こんなあっさりキスをされてしまうなんて。
「もしかして初めてだったとか?」
「……なっ!」
そのバカにしたような顔で聞くのやめてよ!
絶対心の中で笑ってるに違いない。
「へー、初めてなんだ?」
「ふ、ふざけないで!!最低!ありえない!!もう2度とわたしに近づいてこないで!」