幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



仕事の内容はどうやらいらなくなった本の整理をしているらしい。


楓くんが1人でやってるのが大変だと思って、早足で図書室に到着。


扉を開けると、誰もいる様子はない。



奥に進むと物音がする。


本棚からひょこっと顔を覗かせると、重そうな本を運んでいた楓くんの姿があった。


やっぱり楓くん1人しかいなかった。


楓くんの周りは古い分厚い本がたくさん。
たぶん全部処分するやつだと思う。


これを全部1人でやるなんて大変だ。



本を運ぶのに夢中の楓くんは、
わたしが来ていることに気づく様子がない。


かと思えば、いきなりこっちを向いたので、
バッチリ目があった。


「え、雛乃先輩?」


こちらを向いた楓くんは、かなり驚いた顔をしていた。


どうしよう……。
こんなふうに直接話すのが久しぶりで、
少し緊張してしまう。

< 132 / 391 >

この作品をシェア

pagetop